背はシーツについているはずなのに、体がまるでどこにも触れていないかのような浮遊感の中、足がもがく。
唇を噛んだのは意図的だ。どうにか痛みで繋ぎ止めようとしたのかもしれない。理性がばらばらとほつれていく感覚があって、それを手放してはいけないと思う一方で、手放した先に何があるのか見たいとも思っていた。疼きがじわじわと胎の奥に沈んでいく。灼けた指先がそこをくじるように辿って、声にならない声が漏れた。
鼻を擦り合わせる。額と額がぶつかりそうな距離で、息が混ざる。どちらの体温かわからなくなる。身体の輪郭が曖昧になって、どこまでが自分でどこからが相手なのか、その境界がとろけていく。
ゆるくひらいた口から漏れた呼気が枕の皺に跳ね返って、温かな空気が顔の周りをうろつく。自分の息が自分に返ってくる。まだ呼吸をしている。まだここにいる。
背骨に沿って、ゆっくりと手のひらが下りていく。さっきまでの激しさが嘘のように、その手は静かだった。壊したものを確かめるように。壊れていないことを確かめるように。
鼻を啜って、笑った。泣いていたのか笑っていたのか、自分でもよくわからない。どちらでもよかった。