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演劇

  • 別れる、と律は言う

    俳優 / 演劇 / 現代

    四月の終わり、律から会いたいと連絡が来た。指定された場所は、二人がよく使っていた喫茶店ではなく、巣鴨の駅前のチェーンの方だった。それで、おおよそ察しはついた、と透はあとで思ったが、その時はまだ察しきれていなかった。 向か […]

    1,290字 / 約2分

  • 誕生日

    すれ違い / 俳優 / 演劇 / 現代

    律の誕生日に、透はディナーを予約した。律が好きだと言ったことのある、神楽坂の隅の店だ。前日のうちにケーキも頼んでおいた。律の苦手な、苺の上にやたらクリームが乗っているのではない、ふつうのチョコのやつ。 当日、家を出る前に […]

    988字 / 約2分

  • 寒梅温冷

    ヒューマンドラマ / 演劇 / 現代

    四ステージ目。客席の後ろのほうに座っている。満席ではないので、私はここにいる。まあ、賑やかしだ。制作補佐の仕事はほとんどが開演前に終わっていて、受付で当日券を捌いて、お客さんを案内して、客席が落ち着いたら空いている席に座 […]

    3,293字 / 約5分

  • サイト限定

    連載中

    透と律

    俳優 / 演劇 / 現代

    俳優養成所のミラー稽古で組まされた透と律。動きの前の意図まで読んでしまう透の目に、律は息を止める。どちらがリーダーかわからなくなった十五分間から始まった関係は、稽古場の外へ静かにはみ出していく。

    全12篇 7,184字 / 約12分

  • 移り香

    推し活 / 日常 / 演劇

    一列目のほぼセンターだった。 チケットを三回確認した。発券したとき、電車の中、劇場の前。三回とも同じ席番が印字されている。見間違いじゃない。 客演を観に来ただけの自分がこの席にいていいのだろうか。この劇場に毎公演通ってい […]

    2,392字 / 約4分

  • 推し色不適合

    友情 / 推し活 / 日常 / 演劇

    開演四十五分前のドトールには、すでに戦場の気配が漂っている。 水澤瑞希は、向かいに座った友人の胸元を見て眉をひそめた。 「ねえ真帆。それ何色のつもり」 「え? 赤」 「……どこが?」 テーブルに身を乗り出す。真帆の着てい […]

    2,803字 / 約5分