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お仕事
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確認事項
お仕事 / ヒューマンドラマ / 友情 / 現代
那覇のホテルのロビーは、台風の余波で足止めを食った人間たちの熱気で蒸れていた。 飯田奈歩はフロントカウンターの列に並びながら、スマートフォンで翌日の便の欠航情報を確認していた。朝の便も昼の便も欠航。少なくともあと一泊は必 […]
4,673字 / 約8分
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岸壁
お仕事 / 片思い / 現代
成田に降り立ったとき、晋は最初に湿度のことを考えた。ポートランドの乾いた空気に四年も浸かっていたせいで、六月の日本の重さが肌に貼りついた。到着ロビーの自動ドアが開くたびに、外気がぬるい舌のように入り込んできて、晋はその不 […]
5,283字 / 約9分
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余白
お仕事 / 日常 / 現代
十月の第三週になると、キャンパスの空気が変わる。講義棟の廊下に養生テープの跡が増え、段ボールを抱えた集団が早足で行き交い、どこかの教室から必ずペンキの匂いがする。学園祭まであと十日。わたしの職場であるメディアセンターのP […]
3,833字 / 約6分
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させていただきます
お仕事 / 現代 / 社会人
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6,395字 / 約11分
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お手続き
お仕事 / 日常 / 現代
十一月の土曜日、午後一時。 駅前の携帯ショップに入ると、自動ドアの向こうは思いのほか静かだった。白い床、白いカウンター、白い椅子。清潔というより、感情を持ち込まないでくださいという意思表示みたいな内装だ。観葉植物だけが、 […]
3,932字 / 約7分
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うちの子のかたち
お仕事 / ディストピア / 現代
CRAFT PEOPLE vol.38|連載「手しごとの現場から」 この子の顔を、一生残す仕事。ペットポートレートタトゥーの彫師・菅沼耕介 取材・文=林田あゆみ 撮影=大江祐介 スタジオに入ると、壁一面にスケッチが貼って […]
6,086字 / 約10分
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輪郭をなぞる
お仕事 / 日常
職能として言葉を扱うようになって、余計にわからなくなった。身を投じるほど底が見えなくなる。 同じ言葉を何十回と口に出しているうちに、意味が剥がれて音だけになる。机、と十回言ってみる。つくえ、つくえ、つくえ。やがてそれは意 […]
305字 / 約1分
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穴埋め
お仕事 / 日常 / 現代
「え! 先生、AI使ってるんですか?!」 思わず声が裏返った。 能勢先生の仕事場はマンションの一室で、防音はそこそこしっかりしている。隣に聞こえる心配はまずないけれど、自分の声の上ずり方に自分でひるんだ。 「使ってるよ? […]
2,438字 / 約4分
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体質
お仕事 / 日常 / 現代 / 社会人
人の好みを覚えるのは昔からだった。 友達の鞄のキーホルダーが変わったら気づく。先生がいつもと違う靴を履いていたら目がいく。クラスメイトが昨日と同じ服を着ていても気づくけれど、それは言わない。気づいていることを全部口にした […]
2,048字 / 約3分
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臨機応変
お仕事 / 日常 / 現代 / 社会人
四月からバイトを始めた。 初日、店の裏口で支配人と会った。日焼けした顔の小柄な男で、ポロシャツの襟がくたびれている。事務所に通されると、スチール棚と古い冷蔵庫のあいだの隙間みたいな空間に、段ボールが積まれていた。その上に […]
5,206字 / 約9分
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窓口
AI / お仕事 / ディストピア / 現代
看板は出していない。 駅から七分ほど歩いた雑居ビルの三階、不動産屋と貸し会議室のあいだの、かつて行政書士事務所だった部屋を、瀬川郁は月四万二千円で借りている。ドアには何も書かれていない。呼び鈴もない。予約はメッセージアプ […]
4,868字 / 約8分
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小野さん
お仕事 / 日常 / 現代 / 社会人
火曜日のこと 名前の在処 交代 田中さん 火曜日のこと 火曜日の十一時四十分になると、自動ドアが開く。 革靴の踵がリノリウムに触れる音で、顔を上げなくてもわかる。スリッパに履き替える動作が丁寧で、脱いだ靴をきちんと揃える […]
3,384字 / 約6分