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お仕事
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可聴域についての覚書
お仕事 / すれ違い / 友情 / 推し活
最近気になるグループがあるんだけど、と言ったのは私のほうからだった。 佐和がアイスコーヒーのストローから口を離して、目だけでこっちを見る。 「あの五人組?」 「なんでわかんの」 「最近売れてきた五人組なんてひとつしかない […]
3,966字 / 約7分
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空にする
お仕事 / 現代
畑中が《ペタル》のショーケースを空にする判断をしたのは八月だが、きっかけはその半年前にある。 二月の午後、女性客が二人、ショーケースの前で十分ほど悩んでいた。ムースフレーズのアントルメを選んで席に着き、写真を撮り始めた。 […]
2,376字 / 約4分
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金曜日の六個
お仕事 / 現代
桐野が《フルール》に入ったのは、《リヨン》から戻って二度目の春だった。 フルールは駅から少し離れた住宅街にある洋菓子店で、創業は四十年前になる。ショーケースに並ぶのはシュークリーム、ミルフィーユ、フルーツタルト、プリン。 […]
2,774字 / 約5分
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面接後の儀式
お仕事 / 日常 / 現代
手応えがないときは、わかる。 面接官の相槌が均等になった瞬間に、もう決まっている。序盤に「なるほど」が三回続いたら赤信号で、質問が業務内容から離れて「休日は何を?」に滑ったら完全に消化試合だ。今日は開始四分で休日の話にな […]
1,166字 / 約2分
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タトルをいれる
お仕事 / ヒューマンドラマ / 近未来
十一月の朝は、背骨から冷える。 正確には、背骨に沿って埋め込まれた二十三センチの金属片が外気の温度を拾い、それが椎骨を介して体幹に伝わるのだが、梶はもうその過程をいちいち意識しない。三年も経てば、異物は身体の語彙に組み込 […]
5,136字 / 約9分
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赤字
お仕事 / 現代
朝、原稿を開く。コーヒーより先にファイルを開く癖はいつからか覚えていないが、たぶん編集の仕事を始めた頃からではなく、もっとあとだ。読むことが作業になってからだと思う。 今日の原稿はライターの中沢が書いたインタビュー記事で […]
3,553字 / 約6分
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鰤
お仕事 / 日常 / 現代
三十時間ぶりに帰った台所で、真島は鰤を卸した。 スーパーで半額になっていた四分の一の切り身を、まな板の上に据える。出刃は実家から持ってきたまま一度も研いでいない。背骨に沿って刃を入れるとき、いつもの角度が出なかった。指先 […]
933字 / 約2分
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いい現場
お仕事 / ヒューマンドラマ / 現代
【G】大手検索サイト レビュー| めし処さかもと ★★★★☆ 味は確か。このへんでまともなハンバーグ食べたいならここ一択。店員の女の子が明るくて感じいい。- yamada_t(2023年4月) ★★★★★ ハンバーグ定食 […]
7,086字 / 約12分
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過淡
お仕事 / 現代
テレピンの瓶から、いつもより多めに油を皿に注ぐ。指先がそれを覚えてしまっていて、注ぎ口を傾けたまま、数秒。瓶のふちで透明な膜が震えて、それから皿の底に落ちる。匂いは昔より弱い。鼻が慣れたのではなく、油そのものが薄まってい […]
2,302字 / 約4分