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お仕事

  • ハッピーポンコツ睦言

    お仕事 / 日常 / 現代 / 社会人

    紙 怪我 頭 金 息災 紙 「痛ッ」 封筒の角で人差し指を切った。血が出ている。浅いけど、しみる。冬場は乾燥してっからな、こういうのがいちいち深く入る。ティッシュ巻いとけば止まるだろ、と思って巻いた。巻き方が雑で、ティッ […]

    3,308字 / 約6分

  • 頭のなか読むの禁止

    お仕事 / シリアス / 現代 / 超能力

    語彙 手順 線 倫理 語彙 「あれ取って」 戸塚がソファから手を伸ばしている。指の先には何もない。テーブルの上にはマグカップとリモコンとペンと文庫本がある。 あれ、では通じない。通じないはずなのに、わたしにはわかってしま […]

    3,268字 / 約5分

  • 白い布

    お仕事 / 友情 / 現代

    居酒屋のテーブルの下に、黒いトランクケースがある。剛の足がときどきその角に当たって、中の金属が微かに鳴る。朝と同じ重さだった。 「で、どうだったの」 ビールで唇を湿らせながら健太が訊いた。向かいの裕也はお通しのポテトサラ […]

    2,751字 / 約5分

  • 盲点についての覚書

    お仕事 / 現代

    川瀬が「盲点」と言ったのは木曜日の昼で、それを聞いた栗田が眉をひそめたのも木曜日の昼だった。 「それ、差別用語に入ってるの知ってます?」 栗田は二十六歳で、川瀬より四つ若い。言い方に棘はなかった。ただ事実を述べるような、 […]

    2,318字 / 約4分

  • 複雑なひとの話

    お仕事 / すれ違い / 現代 / 社会人

    「佐山さんって、複雑な人だよね。」 僕がそう言ったとき、後輩の丸山が怪訝な顔をした。 「……悪口ですか?」 「は? なんで。」 「いや、複雑って。」 「褒めてるんだけど。」 丸山はペットボトルのお茶を一口飲んで、それ以上 […]

    2,353字 / 約4分

  • ものさし

    お仕事 / すれ違い / 現代 / 社会人

    お弁当の蓋を開けながら、典子は向かいに座った女性をなんとなく眺めていた。 総務から異動してきた水野さん。来てまだ三週間ほどで、昼休みに誰と食べるか定まっていないのか、今日も給湯室の隅のテーブルにひとりで座っている。典子は […]

    2,192字 / 約4分

  • 赤が減る

    AI / お仕事 / ヒューマンドラマ / 現代

    宮本隆一は、赤ペンの男だった。 出版翻訳の編集部に三十年。彼の机を通過した原稿は、例外なく朱に染まって返ってきた。一ページに何も書かれていない、ということがない。翻訳者たちは彼のフロアを「処刑場」と呼んだ。本人の耳にも届 […]

    2,211字 / 約4分

  • 検視

    お仕事 / シリアス / ダーク / 現代

    先生の手は、正確だった。 メスの角度も、開いた後の縫合も、すべてに理由がある。もう何も感じない体に同じ手間をかけるのは無駄ではないかと、一度だけ訊いたことがある。この人にはまだ名前がある。手を止めないまま先生はそう云った […]

    1,873字 / 約3分

  • 執筆中

    週3の世界

    お仕事 / 社会人 / 近未来

    労働基準法改正「週三法」が施行された近未来。製造業の総務課員・沢渡佳苗は制度と現実の「あいだ」に立ち続けている。突然手に入った木曜と金曜は、自由なのか空白なのか。

  • 執筆中

    のどが黒い

    お仕事 / ヒューマンドラマ / 現代

    出版社の面接に落ち、新潟の地方紙に就職した新人記者・莅戸九郎。警察担当として放り込まれた知らない世界で、自分の目と頭だけを頼りに事件と向き合う。

  • 執筆中

    お客様の中に

    お仕事 / シリアス / ヒューマンドラマ / 現代

    クルーズ船に乗り込んだのは、児童養護施設育ちの納棺師。死者の首ばかり見てきた目が、生きている乗客の首に違和感を拾い始める。

  • 差分

    お仕事 / 現代 / 音楽

    デスクの横に無地のTシャツが広げてある。FULCRUMのツアー用。その上に、ロゴを二種類の大きさで出力した紙が載っている。背中に大きく入れるか、左胸に小さく落とすか。去年のツアーは背面だった。同じことをやれば安牌だが、そ […]

    4,062字 / 約7分